OPENSAUCE®

弊社の知財活動に関する一部投稿に関して

平成30年8月1日
株式会社OPENSAUCE
代表取締役社長 宮田 人司

 弊社は、去る7月30日に、OSDN株式会社という企業の代表者である佐渡秀治氏が自社運営メディアに投稿した記事が、当社の意図するところから離れ、オープンソースコミュニティの方々に混乱を与える可能性がある内容となり、一部で誤解を含んで拡散していることを確認いたしましたので、早急に当社の知財活動の立場を明らかにするとともに、誤解を伴う混乱のこれ以上の拡大を防止するため、以下の通り事案の概要とともにアナウンスいたします。

1. 事案の概要

 弊社は「レシピを世界共通フォーマットにするオープンプラットフォーム」の実現を目指し、幅広い分野で様々な活動を行っています。そこで社名でもありその事業目標を暗喩的に表す商標「OPEN SAUCE」について、その使用を確保すべく事業展開を予定する多くの分野を指定し商標登録出願を行っておりましたが、特許庁の審査において一部の分野に関し「OSDN株式会社」というメディア企業が商標権を有する「オープンソース/OPENSOURCE」(商標登録第4553488号)と重複するとして、登録ができない旨の通知を受けました。

 日本では商標法の規定により、事業で使用を予定する分野については、出願すれば基本的に先に出願した者に権利が与えられ、実際には使用しなくとも3年間は権利が保証されることになっております。一方、3年以上使用しなかった分野については、「不使用取消審判」を請求しその空虚な権利を特許庁がリリースさせ、その後使用を欲する者を含む社会一般の利益を確保することになっております。

 今回の問題の投稿(https://mag.osdn.jp/18/07/30/220000)に言及されている「不使用取消審判」は、このような商標法上のルールに従って、当社として事業展開上使用を予定する分野について行った手続のひとつに過ぎません。

 しかしながら、今回の投稿から派生したスレッドがOSDN株式会社運営のWebメディア「スラド」に開設され、「オープンソースの商標を巡る争いが勃発?」といった無用にセンセーションを煽るタイトルが付けられ拡散されているようです。
https://yro.srad.jp/story/18/07/31/0923252/

2. 問題となっている商標の分野

 今回弊社が事業展開上使用を予定している分野の中で、OSDN株式会社の商標権と重複しているのは以下の分野です。

第16類 家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,装飾塗工用ブラシ
⇒いわゆるごみ収集用袋などです。

第35類 経営の診断・指導及び経営に関する情報の提供,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,文書又は磁気テープのファイリング
⇒いわゆる経営コンサルティングサービスなどです。

第41類 書籍及び雑誌の制作
⇒いわゆる出版業などです。

 弊社といたしましては、オープンソースソフトウェアのメディア企業であるOSDN株式会社の実施事業として、実績および使用予定がないと思われる分野についてその取消を求めているに過ぎません。

3. 弊社の立場

 弊社名は「OPENSOURCE」ではなく、「SOURCE」(源)とは意味の異なる英単語「SAUCE」(ソース;調味料)が含まれる造語「OPENSAUCE」です。申し上げるまでもなく「OPENSOURCE」を名乗るつもりはありません。

 また弊社はオープンソース理念を理解し共有しておりますので、オープンソースコミュニティの活動を阻害する意思は一切ございません。

 しかしながら、誤解を含んだ表現とともにこのような投稿が拡散している現状は甚だ遺憾であり、放置しておくことは出来ないと判断いたしました。

4. 今後の弊社の知財活動

  弊社としては無用な争いを望むものではなく、そうであるからこそ、弊社の「不使用取消審判」に対して、OSDN株式会社がその使用を証明することが出来るのであれば、商標法のルールに則り、その分野については他の善後策を考慮する等の準備を進めております。

 さらに、仮にOSDN株式会社の商標権の一部の分野がその不使用により取り消しとなり、弊社の権利が登録になった場合におきましても、その後、OSDN株式会社だけではなく善意の第三者がその分野において使用を望む場合には、当社関係者の使用と混同を生ずるようなものではない限りにおいて、共存共栄を図るスタンスです。

 弊社取引先様はもちろんのこと、弊社事業にご関心を寄せていただいている皆様を始めとする関係者の皆様におかれましては、弊社のこのようなスタンスをよくご理解いただき、冷静なご判断をいただけますよう、切にお願い申し上げます。

以上